便所のらくがき

諸行無常

 今日、実家から帰ってきた。法事のため3日間ほど滞在していた。

 今住んでいるところもたいがい田舎だけど、実家はもっとド田舎なので、久々に帰るとその違いを実感する。

 まず、公道を平然とトラクターが走っている。

 それから、ほぼ毎回「あの店が潰れた」「潰れるらしい」という話で盛り上がる。

 

 今回の帰省のときに聞いた潰れ話は、どこかのコンビニとうどん屋のものだった。

 コンビニが潰れることはよくあることだったので、フーンという感じだったが、うどん屋が潰れたのは衝撃的だった。

 このうどん屋は小学生の頃から通っていた店で、とても思い入れがあったし、しかもかなり独特な麺とスープと天ぷらがおいしい店だった。

 

 このうどん屋の跡地には、台湾料理店ができた。

 実家に住む家族たちはすでに何度かその店に行ってて、「おいしい」「安い」「量がクッソ多い」とのことだったので、試しに行ってみたくなった。

 法事が終わった後の晩ごはんをそこで食べることにした。

 

 店の外観は、うどん屋だったころの面影は少し残っているが、かなりリフォームされていた。

 台湾のセンスらしく外壁には2色に点滅する電飾が。玄関の床にはプロジェクターから模様が映し出されていた。

 店内は、うどん屋だったころの暗い床と壁とは打って変わって、明るい白の壁とフローリング調のクッションフロアに変わっていた。

 以前は、店に入ってすぐ正面のところには大きな正方形の机を囲むように座れる席があって、大勢で店に来たときはよくそこを利用していたのだが、それもなくなっていた。

 

 料理は家族の評判どおりおいしかった。メニューの種類がかなり豊富で、いろんなものを頼んで分け合ったが、どれもこれもおいしかった。

 新しい店には満足できたけど、うどん屋の思い出が蘇ってきてなんというか複雑な気分になった。