便所のらくがき

#2 ダーツの旅 in Googleストリートビュー

 ルール

 目をつぶってGoogleマップの地球儀をグルグル回し、適当なところでクリックする。その地点でストリートビューを表示し、感想を述べる。海や山、森など町がないところや、町はあっても諸事情でストリートビューの画像が提供されていないところに当たるとやりなおし。飽きるまでやる。

 

 二回目

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今回はロシア南西部のチェリャビンスク州にあるアラブガ(Алабуга)という町にクローズアップする。

 

チェリャビンスク州は、2013年に直径17mの小惑星が落下・爆発するという災害が起こった場所で有名らしい。

2013年チェリャビンスク州の隕石落下 - Wikipedia

 

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もう少し拡大してみると、まず目に入るのが水玉模様のような丸っこい湖の数々。チェリャビンスク州には3,748個以上の湖が存在するらしい。

日本ではまず見られない(たぶん)特徴的な地形だ。

 

このような湖がどうやってできたのか?この地形になにか名前はついているのか?

気になりすぎて、ロシア語のWikipediaまで行って

География Челябинской области — Википедия

チェリャビンスク地方の地理)

のページまでたどり着いた。

湖についての記述を見てみると、

 

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つまり、複雑な海岸線ではない=丸っこい湖は、「浸食構造型」らしい。

浸食構造型?

「構造浸食」なら検索で出てきたが、

海洋プレートが海溝で沈み込む時に、堆積物や陸地殻の底を削り取りながら深いマントル層まで運んでしまうこと。 現在の地球上の海溝の約半分で構造侵食が起きているという。

構造浸食 - Geo Wiki(よくわかり面白いGUPI地学用語解説集)

たぶんこれではない。

チェリャビンスクの地形はおそらく海洋プレートや海溝とは関係ないので。

 

しばらく調べていると、別のキーワードが出てきた。

en.wikipedia.org

 

Wikipediaページにある画像の地形が結構似ている。窪地に水が溜まってできた湖らしい。

この窪地、どうやってできるかというと、

 

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Kettle hole

 

こういう仕組みらしい。 わかりやすい!

これは氷河の融解に伴ってできる地形で、ロシアに多く見られるとのことなので、こっちの説の方が有力か。

チェビャリンスク以外にもシベリアやカザフスタン北部にも見られるので、気になる人は調べてみよう。(湖が密集している地域もあるので、集合体恐怖症の人は注意)

 

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チェビャリンスクにある大量の湖のうちの一つであるアラブガ湖。そのほとりにある小さな町が、今回クローズアップするアラブガ。

住宅の密度はゆったりめで、ほぼ全ての住宅に広い庭や畑がついている。農業があまり盛んではないのか、畑の規模は小さめ。

 

ストリートビューへ。

 

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質素な造りの住宅。壁の塗装と花の色がマッチしていてかわいい。

ドアの横には何やら文字が。拡大してみると、

комсомольская

と書かれていた。検索すると、

コムソモリスカヤ・プラウダ - Wikipedia

がヒット。

どうやら、ソビエト連邦共産主義青年同盟(コムソモール)中央機関紙らしい。

早速ロシアみが増してきた…

しかしこの民家、何か関係があるだろうか?

Правдаまでは書かれていないので、もしかするとкомсомольскаяは苗字で、これはただの表札なのかもしれない。

と思ったら、向かいの家にも、少し離れた家にもкомсомольскаяの表札があった。

同じ苗字…? いや、もしかすると、Google Mapには記載されてないローカルな地名や通りの名前かもしれない。

 

あと、何やら見慣れない黄色の細いパイプがある。

このパイプ、住宅同士を繋ぐように伸びている。たぶん水道管か。

 

このパイプを辿りながら進んでみよう。

 

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この家にもかわいらしい花が植えられている。隅っこにニワトリがたくさんいる。

ニワトリも犬、猫もそのへんの道端を普通に歩いているし、川にはアヒルもいっぱいいた。

 

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謎の黒い生き物。たぶん犬。

 

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Ямобурと書かれた看板。

ru.wikipedia.org

ソ連で開発された、樹木を植えるために穴を掘る機械らしい。

Ямобур借りたい人はここに電話して!的な看板か。

 

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横長の建物。

入り口上の看板にмагазин центральныйと書かれている。

Google翻訳から推測すると、意味はたぶん中央マート

 

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電柱の張り紙。衛星放送を受信するパラボラアンテナの業者の広告。

他の電柱には、триколорトリコロール)というテレビ局の広告も。

www.tricolor.tv

このロゴ付きのパラボラアンテナがついている家もあった。

 

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かわいい装飾のついた窓。

ロシアでは伝統的な装飾のようで、「ロシア 窓 装飾」で調べると似たようなのがいっぱい出てくる。

 

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湖を背景に映える白壁のコンビニ

入り口のところにコンビニの看板がついているのでそうなんだろう。

 

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風情のある古びた教会。1842年に建てられたようで一部が崩れているが、現在は修復されているとのこと。

ロシア正教会の建物によくあるタマネギドームがついている。

en.wikipedia.org

 

これでこの町のストリートビューは以上。

なかなかリアリティのある田舎風景だった。